未来の森を考える。パート1

 富士市は、温暖な気候、緑あふれる森林、豊かな水と自然にも恵まれた中で、豊富な水を利用し製紙を中心とした工業都市として栄えてきましたが、あまり、知られてはいませんが緑と水の源泉である森林面積は、8,649ヘクタールもあり、森林のまちでもあるといいえます。

 日本は、国土の67%が森林に覆われた世界でも有数な森林国です。森林は、国土保全、水源涵養、生物多様性の保全など私たちの生活に欠かせない環境保全機能が果たされています。森林整備は一朝一夕では、片付けられない問題であり、今回、未来の森を考える為にも、森林についての視察を、先週末、茨城の森林研究所と大子林業指導所、先進林業地の八溝林業地へ行きました。
 今まで進められてきた、針葉樹人工林は資源の循環社会中で手入れをして、保たれてきていましたが、一部では、広葉樹林や,針広混交林など、多様な森に生まれ変わりつつあります。森林の整備は、水土保全や生物多様性に配慮していくことは勿論ですが、景観や休養の面でも優れた森林が広がることが、人々にも癒しの空間を提供していきます。また、安定的に供給される木質資源は、加工技術の進歩により広く利用され、耐久性やリユース・リサイクル率も飛躍的に高まっています。森を考えることは大切なことで、森林を適切に育成し活用を促し、資源循環を実現した中で、多様な森林の恵みを将来に継承できるよう、研究をしてかなければなりません。
  
 森林総合研究所は、独立行政法人の形をとっていますが、職員数が1300名、平成20年の予算として、研究・育種に120億円、森林農地整備費に816億円と1000億近いお金を使い、日本の将来にとってなくはならない先導的研究機関というビジョンを掲げて運営されています。素晴らしい理念と方向性は間違ってはいませんが、ただ何となく、ここも若しかしたら、お役人の天下り先なのかなと穿った見方をしてしまうのは私だけでしょうか?
 今回、研究所において、講義を受けた内容の中では、今後、富士市においては人工林の長伐期施業を考えているので、興味を持って聞く事ができました。長伐期施業で考えなければいけないこと、メリット、デメリットを説明してもらい、今後の課題を自分なりに理解ができました。
 富士市の森林整備の一環として、富士山麓に、私も、一般質問で「桜の名所づくり」を取り入れた、森林整備を提案したのですが、思うようにいきませんでした。しかしながら、方向性は間違っていないという事は、今回改めて、確認もできました。
 ただ、森林整備には、お金と時間と手間をかけなければ成り立たないという事もよくわかりました。(つづく)