神宮の杜は100年先天然更新の人工林

明治神宮はお正月には400万人もの日本でもっとも参拝者がくる社でもあります。私も学生の頃から何回か参拝には出かけた事がありました。しかしながら、参拝だけでしたので今まで本殿以外をじっくりとみた事はありませんでしたが、人工林としての鎮守の杜が成り立っている明治神宮の杜を視察してきました。

森は神社には欠かせないものとして、明治神宮は、大正4年から造営工事が始まりましたが、全国から植樹する木を奉納したいと献木が集まり、北は樺太から南は台湾まで、日本だけではなく満州、朝鮮からも届き、全部で約10万本の木が奉献され11万人に及ぶ青年団の勤労奉仕により植林することによって、代々木の杜が誕生しました。明治神宮境内の樹木を見ると椎や樫、楠が多く、伊勢の神宮や日光東照宮のような杉や檜が少ないことに気づきます。当時の学者たちは公害が進み始めている東京では、百年先を見越して神宮には照葉樹でなければ育たないと結論づけての植林でもありました。テーマは100年先天然更新の人工林だそうです。
(葉が落ちての栄養分や日が差さない事でのシダ等の植物も育ちます)

ですから、木がうっそうと茂っているようで常緑広葉樹が循環樹木として管理された森でもありました。杜の中は3度ほど気温が低く涼しく感じます。また、知らなかった事ですが湧水や小川がながれ池もあります。小川には明治天皇の指図で皇后さまの為に植えられた花菖蒲があり、150種、1500株の菖蒲の美しさを楽しめるそうです。池には水連も咲いてはいましたが、防護柵を張り、必要以上に広がらないような管理もしっかりなされています。

その光景を見て、私の地域の赤どぶ池での蓮の異常繁殖のような状況は自然破壊ではないかと改めて不安を覚えました。自然を保全していくことは、ものすごい計算された管理と労力は必要な事であると感じます。明治神宮の杜では、期間や時間を決めた上で見学者に御苑維持管理料として500円とっています。

明治神宮は文化としても国の内外に伝える社である事をあらためて実感しました。
東京へ行った際には参拝をしがてら改めて神宮の杜を見学してみてください。
海外でも観光スポットとしてメジャーな場所となり、最近では平日50%以上が海外からの観光客で埋め尽くされていますが・・・・